八沢木獅子舞の由来

300年前から伝えられてきた八沢木獅子舞は別名本木神楽ともいわれ、五穀豊穣、悪疫退散を願って舞い継がれてきた民俗芸能です。以前は、旧の盆に地区を回って舞っていましたが、現在は8月11日に舞われています。昭和40年に秋田県無形民俗文化財に指定されました。現在は、地域のイベント等で悪疫退散と豊作祈願し舞われています。後継者育成のため、地域の小中学校の児童生徒と共に活動しています。


ルーツには二つの説があります。
①保呂羽山波宇志別神社の行事の一部
②本木集落の人が伊勢講の際、伊勢神楽を伝承し本木に定着させた。郷土史によると伊勢神楽を伝承し本木に定着させたという説が有力。

獅子舞の構成

楽器の構成は、太鼓、横笛、つづみ、テビラ(擦り鉦)。囃し方。
獅子を舞う人を獅子振りと呼び、前を獅子頭、後ろを獅子後と呼びます。獅子の前で道化師の役をするシコスリ(相獅子)と呼ばれる踊り手がいます。シコスリ(相獅子)は、赤い着物を着て、竹のささらを持ち獅子をからかい挑発します。

①御幣舞 

五穀豊穣、悪疫退散を祈願する舞い。
獅子が罪、けがれを祓うご幣をかざしての舞いで、「天の岩戸を押し開いて、
伊勢神神楽」と囃子方の唱え歌に合わせてご幣を打ち振り三方を舞清めます。

②剣の舞 

「お前おのぼり わしや今下る。川は にごり川」という唱え歌が出てきます。乱世で自分勝手な行動を嘆いています。「なんともしょがない、なんともしょがない」という仏教の諦観思想(あきらめ)が出てきます。世相を剣によって戒める舞いです。
獅子が剣を持って舞う勇ましくさかんな舞いです。

③狂い獅子 

キリシタン布教禁止が厳しくなってきた当時のなごりで、伊勢の神が獅子を獣に見たてて、懲らしめる場面です。
獅子がたけり狂って、天を舞い、地を這い、シコスリ(相獅子)を睨みつけ、
一飲みせんと追いかけます。締りが終わると 獅子頭は獅子を持って見物客の頭を噛み無病息災のお祓いをしてまわります。

歌詞

八沢木獅子舞


第一段落

 

あまの岩戸を押し開く

2 

いざや神楽の伊勢神神楽

 

神のしめすを まいらせる


第二段落 (剣の舞)

1 

身は 三尺の剣を抜いては
悪魔を払ろうってよいわな
太平楽よとあらたまる

2 

川は にごり川
どじょう川 しょんがいな
ヤレコレ ヤレコレ しょんがいな
ヤレコレ ヤレコレ しょんがいな

3 

お前 お登り
わしゃ 今下る
ヤレコレ ヤレコレ しょんがいな
ヤレコレ ヤレコレ しょんがいな